その隙間に何があったのか思い出せない。
いつもの通り道に突然その隙間は現れた!
そう思っていたら、
『もう随分前から、ここはこんな空き地だったよ』
そう言われて驚いた。
何が在って?いつから無くなった?
忘れ去られた隙間。
振り返れば、自分の心の中には
いつもこんな隙間が存在した。
ぽっかりと穴が空いたように、何かが足りなくなったまま
それに気づかず生きてきたような気がする。
この隙間はいつかまた埋まるのだろうか?
そんなことを考えたところでどうにもならないのだが…。
近くで猫の鳴き声が聞こえたけれど、どこにも姿がない。
見えない隙間からじっとこちらの様子を
伺っているのかもしれない。