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クリスマスにカフェロンドで

毎年、クリスマス時になると必ずカフェロンドのトナカイに会いに行く。本皮か合皮がわからないけれど、その足が意外にもフニフニしていて、そのフニフニを楽しみに、会いに行く。

マスターの岡さんとは、何年か前、八百屋のサイトを制作した時に、お客様の声として掲載するための取材をして、野菜以外の話でも盛り上がって以来のお付き合い。

確か11月下旬で、客席の片隅にクリスマスの置物がひとつ、ふたつ置いてあるのを、ライターがとても素敵だと褒めた。すると岡さんは、「そんなことはない、これがおじさんの精一杯だ」のようなことを言って謙遜していた。

そのうち、このあんよフニフニのトナカイと雪だるまが加わり、今では店のいたるところに小さなサンタや靴下などがそっと飾られていて、さりげなくクリスマスがちりばめられている。おじさんの精一杯は、こんなにも素敵な空間に仕上がっている。

ところで、3月に「キャロ活」という言葉を知り、世の中ではキャロットケーキが流行っていると聞いた。そういえば、カフェロンドのインスタにキャロットケーキがアップされていたような気が。。。と試しに食べてみたキャロットケーキにすっかりハマって、当分チーズケーキを食べていなかった。

キャロットケーキが終わってチーズケーキに戻ってきたから言うわけではないけれど、色々なチーズケーキがあるなかで、私はここのチーズケーキが一番気に入っている。誰がなんと言おうとイチバンなのである。なのにキャロ活にうつつを抜かしていたのはなぜ?というのはさておき、久しぶりのチーズケーキをお願いして、テーブルに置かれたお皿にはトナカイの絵があった。

「あ、トナカイだ」
誰に言うでもなく、思わず小さく口に出すと、同じような小声で
「んふっ」
と言って岡さんはカウンターへ戻っていった。
んふっ
って。。。

クリスマスの頃だけ出番がくるお皿、というものがあってもいいかもね。
と遅々として進まないが、一応、断捨離をしている私は思う。
こういう遊び心? 季節を感じる気持ち? 生活を演出する余裕?
そういったものが詰まっている、みかん箱サイズの一箱くらい、押し入れの隅っこにあってもいいんじゃないかな。

そんなことを思いながら、トナカイの本皮だか合皮だかの足をフニフニと指でつまんで、今年のクリスマスの儀式をひとつすませた。

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