平安時代から続くパワースポット
三原市街地から県道25号線を北上して30分ほど車を走らせると、右手の山肌に鳥居と石段が見える。車がやっとすれ違える参道に入って500mほど行けば、そこが久井稲生神社だ。
585年に京都の伏見稲荷大社の分祀として杭の伊奈利大明神として祀られ、伏見稲荷大社から分霊された神社では日本最古といわれている。
現在の地に久井稲生神社として還座されたのは938年で、焼失再建を繰り返した。
1557年には毛利元就が本殿を、三男の小早川隆景も1560年に社殿を造営した。現在の神殿は三原城主浅野忠吉が1700年に造営したものだ。
本殿の右側には785年に祀られた八重垣神社があり、毎年7月には「ぎおん祭のおどり」が奉納されている。2月には御福木を奪い合う「裸まつり」が、10月には手で触らずに奉納された鯛を捌く「御当」が行われる。
境内に奉納されている石造の牛は、日本三大牛市のひとつである久井の牛市があったことによる。この牛市の始まりは951年といわれ、境内や参道付近の広場で開かれた。
パワースポットとしても知られ、久井稲生神社は商売繁盛、八重垣神社は恋愛成就のご利益がある。そのせいか、若いカップルに人気。
久井の町を一望できる神楽殿もあり、境内を含めて憩いの場となっている。
久井稲生神社 広島県三原市久井町江木1-1 tel:0847-32-6029 駐車場:100台