チカキモノカキ

三原ミュージック·ポケット

 三原市周辺で活動しているアマチュア音楽家に発表の場と機会をつくり、地域の人たちに音楽を届けたいという思いで結成された、三原ミュージック·ポケット。会の名前は音楽のジャンルを絞らず『何でも入るポケット』のような会にしたいという意味が込められています。
 その名の通り、ジャズ、ポップス、沖縄民謡、フラダンスなど、様々なジャンルの音楽や、三線とギターのデュオや、マーチングバンド、ハーモニカ、篠笛、フルート、ハープ、ケーナやサンポーニャといった聞き慣れない楽器の演奏家など、三原市周辺で活躍しているアマチュア音楽家が活動しています。

会の始まりは、この二人の出会いから

三原ミュージック・ポケット運営事務局
事務局長 田島 弘さん(左) 会長 岡本侑祥さん(右)

 音楽の好きなジャンルはジャズやハードロック。オーディオが好きでご自身のカフェでもこだわりの機材を使っている『CAFEもみの木』の田島さん。  
カフェにお客さんとして来ていた方の中に演奏家がいたため、たまにお店でライブをしてもらっていました。
 お話を伺うと、三原にはアマチュアで音楽活動をしている人が多いのだとか。お店のライブも盛況でしたが、『どうせならもっと他の人にも聞いてもらいたいよね』と思い立ち、お店の外でも聞いてもらう機会が出来ないかと思案していた頃、「この人に相談してみたら?」と紹介されたのが岡本さんでした。

岡本さんが好きなのはジャズやポピュラー、洋楽など

 「できないことも、できるでしょ!やれば!の精神で何事もまずやってみるタイプなんです。」と話す岡本さんは、定年退職後に買った土地で田畑を開き、家も自分で作ったという行動力の持ち主です。
 ある時、友人の退職記念で音楽を弾いてもらおうとパーティーの段取りをしていたところ、知り合いに音響の機器を持っている人や、手伝うよ、と協力してくれる人が集まり、いつの間にか、本格的な音楽祭になってしまったのだとか。
 その音楽祭がご近所さんも巻き込んで大盛況だったことから、「岡本さんに相談してみたらなんとかなるかも」と共通の友人が間を取り持ったそうです。こうして、演奏家ではありませんが、音楽を聴くのが趣味の2人が中心になって、音楽祭を開催することになったのでした。

三原アマチュア音楽祭を開くまで

 さて、そんなこんなで音楽祭をやることは決まったものの、どこの会場でやるのか?会場の音響をどうするか?会場作りはどうするか?など色々決めなければなりません。
 「特に大規模なイベントでは、PA(ピーエー)をきちんとやらないと、大変なんです。」PAとは、public adress(パブリックアドレス)のことで、舞台や出演者と相談して、コンサートの聴衆に向けた音響を整える仕事のこと。
 「マイクテスト~とかやってる、アレですか?」と聞くと「そうです。音響がうまくいかないと音が届かなかったり、会場の外に音が流れて行ってしまったりするので、音響機材を置く場所も考えながら会場を作っていくんですよ」と田島さん。
 会場作りも出演者と相談しながら協力して作っていきます。それ以外にもネットでの情報発信やチラシ作りなど、やることはたくさん!
 「最初は出来なかったけれど、自分たちで出来ることは自分たちでする精神で何でも手作りしていきました」ウクライナ支援コンサートを開いたときも、会場のディスプレイはすべて手作りで、中には国旗の青色と黄色のリボンを手作りしてきた出演者もいました。なるほど。イベント一つとっても準備するのに色々な苦労があるのだな、と思いました。

西日本豪雨災害を超えて

 そうして迎えた第一回三原アマチュア音楽祭、2018年(平成30年)の夏に開催予定だったのですが、西日本豪雨災害の影響で一度延期になります。豪雨災害は全国ニュースでも取り上げられ、被災地への支援やボランティア活動など大変な時期でした。
 「一度は中止にしようかとも思いました。けれど、こんな時だからこそ、音楽で元気を出してもらいたい。」そう気持ちを切り替えて10月に第一回三原アマチュア音楽祭を開催。
 被災地の復興支援の為に、たる募金も始めました。以来、コロナ禍の間も毎年続けて去年5回目を迎えました。続けられたのは楽しみにしている人や、応援してくれた人がいたからです。
 「お客さんの中には音楽が好きで朝から晩まで聞いている人もいます。そんな人のためにも、一日過ごせるように飲み物や食べ物のブースを作ったり、いろんなことを充実させていきたいですね」と話します。出演者も音楽をやっている仲間同士の口コミで増えていくようになりました。
 三原アマチュア音楽祭の他にも、ウクライナ支援コンサートや、三原市芸術文化センターポポロでのクリスマスコンサート、毎月開催する図書館でのアフタヌーンコンサートなど、出演者の活躍の場が増えています。
 最初は音楽を演奏したい人と演奏してほしい人や場を繋げる仲介役をしようとしましたが、新型コロナウィルスの影響もあって、演奏を発表する場作りが主な活動になっています。5月には感染症の位置付けも変更になるという報道もあるので、今後は本来の目的のひとつである仲介役も頑張りたいと思います。
 これからも一緒に活動してくれる人を増やしていけたらと思っていますので、興味のある方がいらっしゃったらぜひ一緒に活動しましょう」と意気込みを語ってくれました。

一緒に活動したい人はこちらへ↓↓↓
問い合わせ先:三原ミュージック·ポケット (田島)090-4803-0554

ウクライナ支援コンサート
図書館でのアフタヌーンコンサート
三原市芸術文化センターポポロでのコンサート

広報みはら2023年3月号「三原の盛り人」掲載

  • コラムを書いたみはライター
  • みはライターの新着コラム
西本ちか

西本ちか

コツコツ、マイペース

山口県岩国市出身。2005年に三原の旦那さんとこに嫁いで普段は着物屋の嫁をしております。好きなものは着物、漫画。最近の趣味は図書館で本の装丁を見ること、工芸に触れること

  1. 沼田川土手の散歩道 緑のオーナー

  2. 久井町江木地区のホタル保護活動

  3. 八幡町歴史探訪会

PAGE TOP