山道を登っていくと目の前に一面の芝桜が
広島空港の滑走路と山陽道の麓(ふもと)にある集落「本郷町北方本谷地区」。4月から5月頃に訪れると、赤、白、ピンク、青の一面の芝桜が迎えてくれます。
飛行機の離陸と色とりどりの芝桜の“コラボ写真”を求めてカメラマンや、インターや空港から近いことを利用しての観光客もたくさん訪れます。この芝桜を植える活動をしている本郷町北方本谷地区 集落協定代表の秦静男さんにお話をお伺いしました。
6月から始まる、来春の準備
集落の希望者が集まって、圃場整備で広がった田んぼの法面(のりめん)に芝桜を植え始めました。毎年長さ100メートル幅10メートル位ずつ花を植える範囲が拡がり、現在は約30人で管理をしています。
6月から翌年の花の苗を作り、当番制で水をやりながら育てます。11月に入ると、整地やシート張りも行い、12月に法面に植え付ける作業をしていきます。
植え付けの作業は新しい法面だけでなく、昨年までに植えていて枯れてしまったところにも補植をします。
きっかけは田んぼの法面(のりめん)の管理
始めたきっかけは、法面の草刈りが大変だからです。よその地域で芝桜を植えていた方法を学んできて、植えることになりました。
しかしながら、実際は芝桜を植えたシートの合間から雑草が生えてきてしまい、手作業で抜いています。また、植え付けや補植などで人手がかかることが多くあります。
そこで、一度に多くを植え付けるために、手作りで土に穴を開ける機械や、定量の肥料を出す装置を作成しました。地域の高齢化も進む中、皆で励ましあいながら活動しています。苦労があっても、花がきれいに咲き、たくさんの人が見に来てくれて賑わうことは嬉しいそうです。
北方地区は、春の芝桜だけではなく、他にも地域住民の健康増進を目的とした施設があり、イチジクの栽培や出荷でも有名です。
自然豊かな山あいの北方地区、春に訪れたいスポットがまた1つ増えました。
広報みはら2023年4月号「三原の盛り人」掲載