座長 千坊 可奈男さん(写真 左上2番目)
貸谷 稔彦さん 信藤 延夫さん 法堂 陽子さん
門田 京子さん 田澤 英子さん 只佐 貴美枝さん
伊藤 裕江さん 菜原 須磨子さん 赤野 悦子さん
笑顔いっぱいの芸を披露
11月中旬、三原市本町の川東集会所に地域のお年寄り30人ほどが三々五々集まる。きょうは、『なかよし一座』の公演の日である。始めの演目は、『南京玉すだれ』。3人のメンバーが登場。リズム感のある口上に合わせて、しだれ柳、富士山、瀬戸大橋などを次々に披露。会場は拍手喝采。時折の失敗も愛嬌のうち。演じる方も見る方も笑顔いっぱい。皆さん、芸に引き込まれておられる。次は、哀愁たっぷりに『岸壁の母』の踊り。情感のこもった踊りに涙を流して見入る人も。続いて、民族衣装に身をまとった女性陣の軽やかなフォークダンス。観客の方も飛び入りで参加。みんなで手をつなぎ、会場は最高潮に。さらに、『頭の体操クイズ』に『ハーモニカ演奏』。ハーモニカの演奏に合わせて、『赤い靴』『月の砂漠』などの童謡を会場の皆さんと一緒に童心に帰って歌う。続いて、男性陣の『スコップ三味線』、女性陣の『フラダンス』『手遊び』のあと、一座全員による『ひょっと踊り』で、あふれる笑顔でフィナーレとなった。
なかよし一座の発足は?
『なかよし一座』は三原市内の1区~11区までの民生委員児童委員協議会の中で、3区(久井町・八幡町)の元民生委員児童委員を中心に構成する10人(男性3人、女性7人)のグループ。平均年齢は72歳。メンバーの最年長で座長の千坊可奈男さん(77)に話をお聞きした。『なかよし一座』の発足は今から10年前。平成22年、甲山町(現 世羅町)赤屋の高齢者サロンで公演をしたのがはじまり。千坊さんは、病院の看護士の仕事を退職後、民生委員を務める傍ら、三原市八幡地区の社会福祉協議会の事務局を務めた。地区に高齢者が増えて来たことから、高齢者の方に楽しんでもらおうと、仲間とともに、『なかよし一座』を発足させた。千坊さんは6年前に民生委員をやめたが、『なかよし一座』は10年間続けている。『南京玉すだれ』と『ひょっとこ踊り』は市外に習いに行った。『スコップ三味線』は久井町のメンバーが習っていたのを取り入れている。
みんな 気が合うんですよ
10年続いている秘訣は?とお聞きすると、「気楽に楽しくやっています。メンバーみんな気が合うんですよ。みんな仲がいいんですよ」と笑顔。「公演に行くとね、お年寄りの方が喜んでくださる。それがうれしいんです。こちらが元気をもらえる」と楽しそう。久井町内はもとより、三原、本郷などあちこちから出演依頼があり、年間10回以上の公演をする。公演の前にはその度ごとに地域のコミュニティーセンターで夜1時間から2時間メンバー10人が集まって練習をする。12月11日、練習が行われる地域の コミュニティーセンターへお邪魔した。練習中、次々に「ああしよう、こうしよう」と前向きな声が飛び交う。練習の最後には、メンバー全員で手に手を取って島倉千代子の『心うきうき』の歌に合わせて輪になって踊る。「あなたも一緒に踊りましょ」と誘われ、私もご一緒させてもらう。皆さんのステップの軽やかなこと。私は足がもつれそうです。そして、皆さんテンションが高い。圧倒されます。皆さん芸達者で皆さんお若い!なかよし一座のモットーは、「みんな仲良し。めっちゃ楽しい。これからももっと楽しい」
文:中曽年世
この記事は、2020年3月発行の「シニアNOWNOW Vol.2」に掲載したものです。