ウナ セラ ディ ロンド

キャッチフレーズ

カフェロンドをオープンした時のキャッチフレーズは、
「懐かしいけど 新しい」
三原のフリーペーパーに記事を書いてくださったライターの方が、私にインタビューしたことをもとに、考えてくださった。
私がやろうとしていた無謀な方向性を、見事に的確に、かつ、カッコよく表現してくださったフレーズだった。

三原市民の多くの方がすでに知っている、一部の人々にとっては、とてもとても深い思い入れのある場所であった「ロンド」を、その歴史の中にずっといたわけではない若輩者の私が「そのまま」受け継ぐことには、無理があった。
けれども、その歴史をすべて拒絶して、単なる空き店舗として、自分のやりたい店作りをする気もなかった。

両方生かしたい。

両方欲しい。

両方食べたい。

2色丼。

あいがけカレー。

なのである。

長い歴史をへの敬意と、未来へのつなぎ役としての自分の役割を忘れないように、このフレーズをいろんなところで勝手に使わせていただいてきた。
私の無謀な挑戦は、時には人々の落胆の種となったかもしれないが、それでも支えてくださる歴史の証人達がいてくださり、一方で、未来につながる新しい世代にも支えていただいている。
そんなふうにして、本当に幅広い、さまざまな背景をもった人々が、ひとつの空間で、それぞれの過ごし方をしている姿もずいぶん定着してきた。
そして、コロナ感染対策という不自由な制限のために、大勢で来店されるお客様がいなくなり、カフェロンドでの過ごし方の多様性はさらに薄まっていき、そんな自然の流れの中で、新たなキャッチフレーズの元になる、一つのキーワードが浮かび上がってきた。

「リセットタイム」

きっと誰だって、ちょっとだけ気分を変えたい時がある。
大事件が起きたわけじゃないけど、ちょっとこんなことがあってね、と、誰かに伝えたい時がある。
少しだけ寄り道して、珈琲を飲みながら読みたい本がある。
音楽を聴きながら、ふぅーっと、息をつきたい時がある。
誰かと共有したい、何かが、ある。
そんな時に「ロンドに寄ろう」と思っていただけるなら、店主にとって、こんなに幸せなことがあるだろうか。

この新しいキーワードを使った、カフェロンドのCMが、FMみはらで流れている。
「あなたのリセットタイムがここにあります」
考えてみれば、ずいぶん大きく出たものだ。
ホントにあるのか? ここに。
そんな重い責任を背負いながら、今夜もリセットタイムへの期待を裏切らないよう、注意深くBGMを選ぶ、ウナ・セラ・ディ ロンドなのであった。

ウナ セラ ディ ロンド

店で流している音楽のこと、個展やライブのこと、
店主のこだわってないようで実はこだわっていそうな日々のこと。
ある夜のカフェロンドからお届けします。
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